ティモール短信(No4)    
ティモール短信(No4)
JDRACEOD東ティモール現地代表
    久光 禧敬

 2005.07.12
 今日は。王土会会長および理事の皆さん。武器学校での懇親会も大いに盛り上がったことと思います。こちらではあまり盛り上がるものはありません。だんだん、感受性を欠いていくような気さえします。山男の心境に近いのかも知れません。
この国は、手紙で日本まで1ヶ月以上はかかります。同僚の岸良(きしら)君が5月16日に日本宛に出したのですが、昨日現在未到着だそうです。
 さて、わたしの一日の紹介をしましょう。朝は定宿のセントラルホテルで目を覚まします。大抵午前3時くらい、鶏の鳴き声が聞こえる以外静かな朝です。夜明け(日の出)は午前6時半ぐらい。毎朝、ホテルの食堂で仲間3人と朝食をとります。献立はいつも一緒でこれ以上堅かったらもう食べられないパンと目玉焼き、これも凄い、本当に日本なら目玉焼きとはいえない代物ですが…。それにほんの少しのソーセージにミルク。これで終わり。もう慣れました。あきらめました。お陰でダイエットが自動的に出来ます。
7時40分にドライバーのドミンゴス君が迎えに来ます。車は日本製ですが、ポンコツ。いつ止まるのかと心配しています。また、どこから入ってくるのかわかりませんが、車内で蚊の猛襲を受けることがあります。これには参ります。全員で窓を開け、追い払うのに一苦労です。ドライバーのドミンゴス君は本当に時間を守ってくれます。まず、遅れることはありませんし、遅れるときは必ず連絡を入れます。このことはこちらの国では奇跡に近いことです。頭もいい青年です。階級は巡査。
 ホテルから約3分の最近借りたオフィス前で私は下車。最近の勤務はここから始まります。後の二人はポリス・アカデミーまでさらに10分程度のドライブが必要です。ここで早速パソコンを開いてJDRAC本部などからの連絡事項を確認します。その後、新聞、テレビをということでしょうが、現在我がオフィスにはテレビもないし、新聞もありません。
 その内、この家のオーナー兼家政婦の黒光りのする、やせこけた小柄なフェルナンド小母さんがにっこりと登場します。「ボンディア」(お早うございます)と声をかけた後、せっせと掃除を始めます。この国ではあまり雑巾で机を拭くという習慣がないようで、もっぱらからふきです。したがって掃除の指導から始めました。雑巾とバケツを買ってきて、不肖の私が指導します。その後見たら、雑巾とバケツはそれぞれ食器洗い用のそれに早変わりしていました。いやはや。しかし、人は良く、多少気持ちが悪いんですが、いつもにこにこのやさしい小母さんです。時々コーヒーを入れてくれますが、これは甘いという生やさしいものではなく、砂糖のなかにコーヒーが入っているといった代物で、とても飲めた物ではありません。小母さんがいない隙にトイレで素早く捨てて「オブリガード」(ありがとう)といってコップを返します。
 一応オフィスでの仕事が終わると、その日の予定に従ってPNTL(国家警察本部)やポリス・アカデミー、日本大使館などに出かけます。しかし、一番多いのはなんといっても買い物です。教育用資材から火薬類までほとんど私とドライバーのドミンゴスとでやります。やらねばならないと言うべきでしょう。他の二人の仲間は教育で忙しいものですから。もちろん暇があれば二人は私を助けてくれますが。
 今日は日曜日で、私はオフィスに来ています。今日はホテルからここまで歩いてきました。1分間に104〜106歩というスローペース、約80cmの歩幅、約20分で着きます。隣の教会から賛美歌が聞こえてきます。静かな朝です。突然ドアがノックされ、フエルナンダ小母さんがいつもの笑顔で顔を出しました。何か言っています。わかりました、電気代をくれといっています。ここの電気代はプリペイド方式で何ドルでもいいんですが、カードを近くの電力会社から買ってこなければなりません。そしてカードに書いてある20桁の数字を自宅の電力盤に打ち込むようになっています。プリペイドが無くなると電力盤の数字がウィンクをします。それでプリペイドのお金が空っぽになったということがわかるのです。疲れます。ではこの続きはいずれまた。
追伸:私は9月2日に日本に帰ります。そして21日は日本を発ちます。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
久光拝
ティモール短信(No4)

     

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