遙かなるモスクワへの道(NO2)

第1章9月1日(第1日目)万里の長城・台車交換

北京から二連浩特まで
 明けて9月1日快晴。もともと早起きの私にとって、4時起床は全く問題はない。
 5時45分、ホテルをチェックアウト。ホテルは予想に反して日本のシティーホテル並に清潔で快適だった。トイレットペーパーもちゃんとあった。
 タクシーで北京駅に向かう。ホテルから15分、20元払って朝6時、駅に到着。駅前は多数の大学生達がうようよしていた。第2国語は中国語であった私だが、学生時代の不勉強がたたって、全く中国語が通じない、勿論解らない。なぜ駅前に大学生達が沢山いるのかも解らないまま駅構内に入る。
 北京駅の建物は、そのスケールや豪華さでほ日本の東京駅に比べても一枚上の感じ。ただ工事箇所が多いことと、清掃が十分でないため構内はなんとなく埃っほい。それに噂に聞いていたが、いやいや列車を待つお客の多いこと多いこと。そしてそのお客たちが、全員物凄い量の荷物を持って改札口付近に並んでいる。これではどこがモスクワ行きの改札口かを見つけるのが大変だ。やっとのことで我がモスクワ行き特快第3列車の改札口を見つけ列に加わった。(なお、改札口はホーム毎に設置されていた。)
 第2坦台(2番ホーム)だ。6時半改札か始まリ、濫れんばかりの人泥みの中、勇躍ホームへ。
 すでに列車は入線しており、乗客が乗り込むのを待っていた。ダークグリーン色で中国所属の十八両の長大編成のモスクワ行き。行き先札には「北京〜莫斯科」とあろ。さすが漢字の国。どこかの国のようにすぐにカタカナにはしない。あのマクドナルドでさえ、ここでは漢字である。
 デッキの入口では国防色の制服に身を固めた列車乗務員が厳しい顔つきで切符の点検、およそお客を待つ態度とは思えない物々しさ。乗務員に手持ちの切符を見せ、確認を受ける。この時「謝謝」と云うと、乗務員もやむを得ず「謝謝」。とてもサービス業などと云えない態度。指定された8号車にカバンとキャスター付きの小型バッグを持って乗り込んだ。私が指定されている部屋は8号車第1室。軟臥車(JRのA寝台に相当か)と呼び、4人同室のコンバートメント形式の寝台車であった。
 べッドは向かい合わせの上下2段式で日中は下段を座席として使うところはJRとほぼ同じ形式である。指定の第1室はすでに3人の人が乗り込んでおり、荷物の置き場はすでに満杯。困り果てていると同室のモンゴル人(後で判ったのであるが)がどうにか場所を作ってくれて無理矢理に置いてくれた。
 これでOK。後は出発を待つばかりとなった。片言の英語でちよっと写真を撮ってくるからといって最前方の機関車に向かって急ぐ。そこには幸いにもキャセイパシフィックのスチュワーデスのO嬢がいたので機関車の前でハイポーズの記念撮影。車内に置いた荷物が気がかりなので急いで戻る。こういう時は一人旅は本当に危ない。ああ無事だった。
遙かなるモスクワへの道(NO2)

     

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