王土会会報 第30号(抜粋)(19.4 .1)
目次

会長挨拶

講演会について

第3回ゴルフ大会開催

インターネット

会員の近況

各方面隊支部の設置について

新入会員

事務局からの連絡

編集後記


 ご挨拶
           王土会会長
                                 木 村 欣 浩
 王土会会員の皆様におかれましては、ご家族お揃いで素晴らしい平成十九年を迎えられたことと存じます。特に新年早々「防衛省」が誕生し、新たな感激をもって新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 私、平成十八年五月二十六日の定期総会におきまして、新井光雄会長の後を受けて、王土会会長を仰せつかりました木村欣浩(よしひろ、防大五期、平成七年技術研究本部陸上開発官で退官)です。誌面をお借りしてご挨拶申し上げます。
 昭和三十七年に発足し、全国に居られる約千名の会員の皆様とともに活動し発展してこられた由緒ある王土会の会長を仰せつかり、責任の重さを痛感しております。微力ではありますが、武器科職種の親睦及び団結のため、王土会が益々充実発展するよう、理事の皆様と力を合わせて最善を尽くす所尊存ですので、会員の皆様の更なるご協力、ご鞭撻を心からお願い申し上げる次第です。
 さて、長い間の悲願であった「防衛省」が平成十九年一月九日に誕生しました。特に、国会議員の九割以上の賛成が得られたのは、自衛隊員のこれまでの血の滲むような努力を多くの国民に理解されたからだと思います。本当に感激です。この喜びと感動を皆様と一緒に共有出来ますことを嬉しく思います。しかしながら、昭和二十九年防衛庁発足から五十三年目、昭和三十九年池田内閣が防衛庁の省移行の閣議決定から四十三年目です。このように防衛省になるのに長期間を要した原因は、憲法九条の存在であると思っています。しかも憲法九条のために、我が国の安全保障政策、特に国防政策等が曖昧模糊として背骨が通っていないのです。したがって、次は憲法を改正して、憲法に国防軍の保持を明記することであります。新聞報道によると、「安部首相は、一月一日の年頭所感で、任期中の憲法改正実現に強い意欲を表明した。そのため、まず改正手続きを定める国民投票法案の成立を通常国会で目指す考えを示した」と報じております。
 永年の懸案であった「教育基本法」を改正し、「防衛省」を誕生させた安部首相には、二期六年の任期中に是非とも憲法改正を達成して欲しいと心より願っております。
 皆様ご承知のことと思いますが、陸上自衛隊のイラク復興業務支援隊長を務めた「ひげの隊長」こと佐藤正久氏(元一等陸佐、防大二七期、平成十九年一月十一日退職)が、今年夏の参議院選挙で比例代表に自民党から立候補致します。佐藤氏には私共の思いを代弁していただき、憲法改正のため国政の場で活躍していただきたい。そのためには、夏の参議院選比例代表として、是非当選してもらいたいと思っております。
 一方、王土会における懸案事項は「王土会支部結成」の検討であります。
 現在、王土会の活動は、会員名簿の作成、会報の発行(年二回)、ゴルフ大会のほか、年一回東京での定期総会、講演会及び現役武器科幹部を招いて盛大な懇親会を実施しております。しかしながら、東京周辺以外では、同じ武器科職種であった懐かしい方々にもなかなかお会い出来ないのではないでしょうか。各方面等でも武器科職種OBの方々が集まって軽易に懇親会等を催し、逐次その輪を広めて武器科職種の親睦・団結を図るため、王土会支部を結成してはどうか、という声が数年前から盛り上がってきております。
 そのうえ、陸上自衛隊の後方支援体制の変革により武器科部隊(武器部、方面武器隊、武器大隊等)は機能別に編成され、武器を冠する部隊も武器学校、武器教導隊以外には無くなり、武器科の職種意識が希薄になるのではないかと心配されております。このような状況から、特に地方居住の会員相互の親睦を図るとともに、各方面等においても現役武器科幹部との交流を更に活発化させるためにも各方面等に支部を結成して、王土会が武器科職種の団結の中核となり得るよう発展させてはどうか、という意見も最近強くなっております。
 どのような支部を造り、どのように運営するのか等々支部結成のためには検討しなければならない事項が多々あります。現在理事会で検討中でありますが、その内容については今後総会及び会報等を通じて皆様にお知らせ致し、皆様からのご意見を頂き、検討してまいりたいと思っております。どうぞ忌憚のないご意見をお聞かせ下さるようお願い致します。
 最後に、今年の定期総会及びゴルフ大会につきましては、本誌別欄にご案内しておりますので、どうぞ万障お繰り合わせのうえ、多くの方がご出席下さいますようお願い申し上げます。その折皆様にお会い出来ますことを楽しみにしております。
 皆様の益々のご健勝、ご多幸を祈念申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

講演会について
 今年も五月二十五日の総会時に、王土会の講演会を計画致しました。講師には、終戦後も昭和四十九年に帰国されるまで、三十年近くルパング島で戦闘を続行され、帰国後は、ブラジルでの牧場経営の傍ら、日本国内において野外キャンプの設営等により、青少年の育成に力を注いでおられる旧帝国陸軍少尉の小野田寛郎氏にお願い致しました。
 数多くの貴重な体験を語って頂く予定ですので、多数の会員皆様の出席をお待ちしております。
(小野田寛郎氏の略歴)
一九二二年和歌山県亀川村(現海南市)生まれ。陸軍中野学校卒業。 元帝国陸軍少尉。



 一九四四年十二月遊撃戦指導の任のため、フィリピンのルパング島に着任。以降一九七四年三月の帰還まで三十年間に亘り終戦後も同島にて戦闘を継続。
 帰国半年後にブラジルに移住し、牧場を開発し、十年後に軌道に乗せ、現在二千頭の肉牛を飼育。
 日本国内においては、健全な青少年育成のためサバイバル塾「小野田自然塾」を主宰。
 一九九九年文部大臣より社会教育功労賞、二〇〇四年ブラジル空軍より民間最高勲章メリット・サントス・ドモント、二〇〇五年藍綬褒章を受章
 主な著書は  「わがルパング島の三十年戦争」、「たった一人の三十年戦争」、「子供は野生だ」、「だから日本人よ、靖国に行こう」等多数。
第3回王土会ゴルフ大会開催
 平成十八年十一月十五日(水)、第三回王土会ゴルフ大会が、今回も江戸崎カントリークラブ東コースで会員等三十名の参加を得て開催されました。
 当日は、雲一つ無い秋晴れの絶好のゴルフ日和の中、イン及びアウトそれぞれ四組に分かれ、〇九〇〇同時にスタートし、参加者皆日頃培った技を随所に示しつつ競った結果、成績優秀者は次の通りでした。競技終了後の懇親会の席上、優秀者には体調不良につき競技には参加されませんでしたが、開会式及び表彰式のため遠路駆けつけられた木村会長から賞品が授与されました。なお、優勝した大工園氏は第一回から三大会連続して優勝又は準優勝を獲得しており、次回は是非とも同氏に勝る腕自慢の参加が待たれます。
(優秀者)
     優勝   大工園 洋海(阿見町)
     準優勝  小野  昌美(土浦市)
     第三位  徳留  國廣(阿見町)

◎ インターネット
 今回は平成十九年一月九日の省昇格に先立ち、平成十八年七月三十一日に実施された防衛庁(省)の組織改編について記述します。
一、内部部局等の改編
(一)内部部局
  防衛施策の立案と実行、自衛隊の運用、人材の育成、装備品の取得等各種分野における政策立案機能の強化を行い、新たな政策課題に適切に対応し得るようにするとともに、大臣に対する補佐体制を充実強化する。
(二)防衛参事官制度の見直し
  防衛参事官制度を実効的・機動的に活用していくこととし、衛生・技術担当を廃止し、長官官房に衛生監及び技術監を新設

二、地方組織の改編
(一)地方公共団体等と平素から緊密な連携を確保し、国民保護のための措置等を実効的なものとするため、陸自方面総監部を改編(政策補佐官及び地域調整課の新設)
(二)地方公共団体等との調整や協力に係る機能を強化するため、各都道府県における地方連絡部に国民保護対策調整官を新設して改編し、同時に自衛隊地方協力本部へ名称変更(図1)

三、取得管理組織の改編
(一)装備品のライフサイクルを見据えたコスト管理を図るため、内部部局の原価監査機能、契約本部の機能を統合・構築し、装備本部を新設。併せて、内部部局に監査担当審議官や監査課を新設する等調達監査機能を強化(図2)

(三)技術研究本部の機能を充実・強化するため、先進技術センターを新設するとともに、装備体系別による研究所の再編(図3)



会員の近況

    宮城県多賀城市     大濱 巍
 馬齢を重ねて七十年。壮年の気概をもって過ごすことが出来ることに感謝しています。
 早いもので定年後十六年になります。禁煙と同時にウォーキングを始めて六年になりますが、なかなか減量できません。月二回のゴルフは継続中、最近始めた書道と水彩画を楽しんでいます。
 王土会の皆々様の御健勝を祈念申し上げます。

    埼玉県鴻巣市      鎌田 武司
 埼玉県では、六十才以上の人を対象に仲間づくりのきっかけと地域活動に関する知識・技能を付与する目的で、「(財)いきいき埼玉」によって「彩の国いきがい大学」という大学が運営されています。学長は埼玉県知事です。
 これまで全国的に転勤を繰り返してきたため、地域の人達と交流する機会が全くなかったので、平成十八年四月からこの大学の学生になって、同年代の人達と学習をしているところです。私が所属している熊谷学園の学生は百三十人です。秋の学園祭では、実行委員長を担当させられており、入学以来このための企画づくりと企画推進のため頑張っております。
 皆さんがこれを読まれる頃には、この大学を卒業し、地域の仲間達と何かを始めようとしていることであろうと思います。

    千葉県八千代市     北村 繁光
 先輩方の御健勝、若い方々のご活躍を紙面で頼もしく拝見しています。
 微力ながら地域への恩返しに努めようと自治会長をお引き受けして二年目です。総務・生活環境・事業・防犯・防災の各部が担当する道路の補修、街頭の整備、犬の糞・尿問題、防災、非行対策、近隣のトラブル等に振り回されています。
 自衛隊と違って自治会は極めて緩い組織であるうえ、種々の職業・経歴の方々が居られるため、主張を通しすぎてご批判を受けないよう気を付けていますが、実際は言い過ぎが多いと反省しています。
 市、警察署、教育委員会などの交渉を通じて、自衛隊の組織としての素晴らしさと隊員教育の効果は誇るべきものと実感しています。健康に気を付けてまいります。
 最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸をご祈念申し上げます。

    茨城県稲敷郡阿見町   田沢 薫
 第二の職場を離れて間もなく十年になります。先輩の指導で趣味は外の運動を二つと内での遊びを二つ持って来ましたが、七十才も中頃になると一つ減り、また減りで現在書道だけになりました。前にいた東京の会社で六十五才頃無理に入部させられた書道を十年間やっています。現在師範の看板を受けていますが、月に二回東京に通って習い続けています。その他各種行事への参加やら通院などで結構多忙な日々を送っています。テレビの前で一日ゴロゴロして暮らすのだけは避けたいと思うのが私の信条であります。
 王土会の皆様方の益々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

    千葉県柏市        鳥谷 雅也
 私の朝は早い。朝四時にはパソコンに向かって、財団法人日本特許情報機構の米国特許データベース作成作業が始まる。火器、弾薬、ミサイルの仕事で約十年間が経過、ボケ防止として今後も続ける予定。  天気の良い日は週に一度、利根川のほとりの市営の七坪農園に出掛けて、利根川の堤防からの日の出を見ながら誰もいない中での一人の農作業で至福の時間。たくわん、ラッキョウは全部自家製。漬けるのは家内の担当で感謝あるのみ。午後は週四回、社交ダンス教室のレッスン。昔と今のお嬢さんとたっぷり二時間過ごす。また、二週に一回はカラオケ教室。課題曲を貰ってのレッスン。二月にはNHKの「のど自慢」に挑戦。多くの方にいつテレビに出るのかと期待して貰ったが、予選二百五十組から本番二十組に選ばれずに、OUTで残念。
 また、片桐、西田の諸兄と月一ゴルフ?、おしゃべり会?。冬には仙台時代に教えて貰ったスキーで、毎年二月、蔵王の樹氷祭りに出掛けてスキー。今年、山形で新幹線を降りて、蔵王行きのバスの車中で、やはりスキーに行く途中の同じ射統教官の松岡さんとの何十年ぶりの再会には本当にびっくり。
 本年喜寿の年齢、検診で心臓に負担のかかることは駄目と言われて、来年の蔵王は現在思案中。
 夜は麦焼酎のお湯割り二杯で、バタンキュでお休み。このリズムがいつまでも続くことをひたすら願っている。これからも皆さん宜しくお願いします。

◎各方面支部の設置について
 昨年の総会時、新井前会長から話がありました懸案の「各方面王土会支部設置に関する検討」は、平成二十年度支部設立を目途に役員による検討会の実施等により進めていますが、設置のための基盤となる各地区の更なる活性化を図るため、その中核となる各方面(除く東方)担当者を下記の四氏にお願いし、各方面における新入会員の獲得、現役との交流の推進及び会に関する各種意見の提供等により支部結成の基盤造りにご尽力を戴くことに致しました。各方面の会員の皆様には、各氏への御協力をお願い致します。
 北部方面  坂本 貞幸
 東北方面  小川 幸雄
 中部方面  田中 文司郎
 西部方面  前田 優
 なお、この件に関して、後藤二生氏(埼玉県志木市)から次のような意見が寄せられています。
テーマ: 王土会役員検討中「各方面分科会」の設置について
一、結論
 私は、分科会制度に賛成です。なお、その運営要領には、資金、本部主催行事への参加要領、各種OB会との競合等の検討が必要です。
二、理由
 自衛隊の任務の変化に対応するため各種改編が実施され、その中で武器科職種が一番影響を受け、職種部隊が無くなり、武器科隊員は親部隊を失いました。昔は補給・輸送・衛生の職種が無くなると言われていましたが、今は国際貢献では、一番職種性を出していると思います。しかし、軍隊は本来戦いが任務です。その場合は、特に甲類装備品を取り扱う武器科隊員の職種性が重要視され、武器科精神を保持するグループが組織の内外に必要と考えます。それまで私達OBの職種の会(王土会)が、武器学校を中核として職種精神及び職種の知識・技術を継承していかねばなりません。又その必要があります。各人で考えますと各地方のOB会と王土会の競合が出ると考えられますが、それでも各方面分科会を作ることにより、会員各人が各種行事に参加し易くなり、発展性があると考えます。したがって私は賛成です。
◎新 入 会 員(平成十九年四月一日現在)
「どうか宜しくお願い致します」
 今関 重夫(武校)  平野 陽一郎(武校) 井出 克昌(武校)
 市田 正人(武校)  水谷 秀志(北処)  田中 文司郎(関処)
 高木 賢寛(補統)
◎事務局からの連絡
[会費納入のお願い]
 王土会の会計年度は、四月一日から翌年の三月三十一日迄となっております。平成十九年度の会費(一千円)を同封の郵便振替用紙により納入して頂きたくお願い申し上げます。
[入会案内について]
 これまで新入会員に対する入会案内は、年度末に当該年度の退職隊員に送付していましたが、退職後のため、個人情報保護法もこれあり、住所の把握の困難な方々も多数あったため、送付率は芳しくなく、これが近年の新入会員減少の一因となっております。
 このため、今後は年二回、二月(四月〜九月退職者)及び九月(十月〜三月退職者)に退官予定者宛に所属部隊に送付致します。
 なお、送付対象は、王土会会則第四条一項(正会員)ア「陸上自衛隊武器科幹部等(自衛官及び事務官等)で退職し入会を希望する者」の有資格者全員ですので、会員の皆様には、彼等に会う機会がありましたら、勧誘の程宜しくお願いします。

◎編集後記」
 先日ある会合で昨年夏退官した未だ王土会未加入の後輩に会い、入会を勧めたところ「先輩、私は既に入っているんではないんですか。」との返答。
 現役時会員との懇親会等に参加して、王土会について十分承知していたが、「退職時に武器科幹部は自動的に入会するもの」と誤解していた由。彼のように入会の意思を有しているにも拘わらず、入会案内が来ないため会員の仲間入りしていない方々が何人もいると思われます。今一度漏れている方々を洗い出すとともにタイムリーな案内状の送付に心掛けたい。





inserted by FC2 system