王土会会報 第16号 (12.4.1)
目次

  1、ご挨拶  王土会代表理事 高木謙次
 2、インターネット
 3、会員の近況
 4、新入会員   、訃報
 5、事務局より
 6、編集後記
 7、最近の装備品の紹介F

 ◎ ご 挨 拶
   王土会代表理事   高 木 謙 次
 全国の王土会会員の皆様、2000年を迎えていかがお過ごしでしようか。
 今年も宜しくお願い申し上げます。
 毎年新年を迎えると何となく厳粛な思いで希望も新たなものを感じますが、今年が例年と少し違うのはいよいよ新しいミレニアムの幕開けを迎えたと言うことでしよう。
 2000年を迎えたと言っても西暦、しかもそれは6世紀にローマの僧がキリストの降誕の年を少し間違えて起算点として作った年の考え方で、それがたまたま切りの良い数字に当てはまるにすぎません。
 例えばユダヤ暦では5760年、イスラム暦では1377年と半端な年になります。世界には文化的ルーッツを異にする50数種類もの紀年法がある(我が日本にも皇紀何年というのがありましたね)と指摘して、世のミレニアム騒ぎを批判する向きもありますが、多種多様な民族が共存するこの地球で、西暦は今や世界の誰にも分かり、何処でも通用する人類共通の記号となっている現実から、やはり心情として新たな年の到来を共に祝い、良き時代の幕開けと成ることも共に願いたい思いにかられます。
過ぎた時代が「戦争と大量殺戮の世紀」「大量生産の世紀」「イデオロギーの世紀」「環境破壊の世紀」などと総括される人類史上特筆すべき時代(100年間)であり、我が国としても敗戦後の復興を果たし、「ジャパン・アズ・ナンバーワン』と言われる様になりながら、今や「ジャパン・アズ・ルーザー」(敗者日本)と言われないような努力が必要だと叫ばれる現状況を認識せざるを得ない時、此の思いは更に強いものがあって当然でしよう。
 しかしながら単に新しい年を迎えたから状況が変わり、希望が持てる様になるものでは当然の事ながらありませんし、未来は過去現在の継続の上にあるわけです。特にバブル経済の頂点にあった90年夏に起きた湾岸戦争以来の我が国の10年間は、阪神・淡路大震災、オームサリン事件、引き続いて起きた相次ぐ金融機関等の破綻、更には東海村JCO工場での臨界事故、日常的に報じられる警察官や教員、医療従事者の不祥事などが長引く経済不況の中で起きています。ある人はこれを「失われた10年」「第2の敗戦」とすら言っています。従って先ずは1990年代のこの10年間の総括は避けて通れないでしょう。
 その上で多くの文明的衰弱が進んだ戦後55年を「問題としての戦後」としてはっきり過去のものにすることが必要だと思います。
  また、国際社会の中でもグローバリゼーションの大波をしっかりと乗り切り、顔の見える先進国として存在するために歴史と伝統の再生が求められでしょう。
 かかる思いから今年が新しい時代に歴史と伝統を重んじて自立する日本を取り戻す再スタートの年になればと、勝手に思いをめぐらして迎えた新年でした。
 さて、今年も王土会総会の時期が近くなりました。目下役員一同一人でも多くの会員の方のご来場を期して準備を進めております。
 席上お会いして懇談できますことを楽しみにお待ち申し上げております。



 ◎ インターネット

 本号のインターネットも引き続き久光理事に寄稿をお願い致しましたが、今回は今までの軍事情報とは少し趣を異にしたユニークな内容、しかも我々の身近なことながら意外に知らない、と言うよりもあまり気にしていない「ヒトに関するデータ」を紹介していただきました。
 一寸した話の種になるのではないでしょうか。
 ★未知なる生命。ヒト
 この「未知なる生命・ヒト」は、」イギリスで大反響を巻き趣こしました、ドキュメンタリー番組のタイトルです。
 此の番組はNHKでも7回シリーズで放送されました。
 ヒトの誕生から死までの体と心の変化を追っていくものです。BBCが2年の歳月をかけて製作したシリーズだけあって、これまで目にしたことがない実写映像が次々と出てきます。針の先に極めて小さなカメラを取り付けた"エンドスロープやレーザー顕微鏡をはじめ、最新の機器と映像技術を駆使。心と体のメカニズムの映像化が一定の効果を上げています。
 番組は、斬新な内容で興味深いものですが、今回はその番組の中で語られたヒトに関する興味深いデータを紹介しましょう。
 「ヒトに関するデータ」
 世界各国の膨大なデータをもとに、ヒトの行動を数字で表してみます。
 ヒトの一生で食事に費やす時間は凡そ3年半、トイレで過ごす時間は延べ6ケ月以上、排泄する尿は4万g。赤ん坊が1歳の誕生日までにながす涎の量は145gです。
 2歳になるまでに150kmをハイハイで動き回ります。12歳位までに2時間に一つづづ新しい言葉を覚えていきます。10歳になるまで心臓は3億6千8百万回鼓動します。
 生涯にテレビを見る時間は12年半以上、電話する時間は2年半以上、キスしている時間は2週間、爪の長さは延べ28b、髪の毛は重さにして950kg、鼻毛もほっておくと全部で2bになります。
 21歳になるまでに風船350万個の空気を吸います。労働時間は延べ8年間。成人の女性の体内で毎日2千億個の赤血球が造られます。名前を知っている2千人の知り合いの内、彼女が友人と見なすのは150人。
 角質化して剥がれ落ちる皮膚の重さは延べ19kgにのぼります。セックスの回数は延べ2千5百80回、相手は4人です。恋に落ちること2回。4億1千5百回の瞬きをするつぶらな瞳は1千万種類の色を見分けることが出来ます。
 結婚式にかける費用は6千8百9ポンド、日本円にしておよそ120万円です。その相手と一生添い遂げる確立は60lです。子供は2人、孫4人です。そして曾孫8人で、但しその中で曾おばあさんの名前を云えるのは僅かに2人です。
 イギリスならそのお婆さんはおそらく79歳まで生きるでしよう。フランスでは82歳、日本では84歳、アフリカでは55歳です。
 ヒトは死ぬまでに2万2千kmを越える距離を歩き、延べ12年間話をすることになります。いやはやまさに驚くべき数字です。世の中に平凡な人生なんか存在しません。私たちは一人一人様々な行動をとりながら生きていきます。
 さて、皆様は此の数字をお読みになって、どういう感想を持たれたでしようか。ヒトは本当に不思議な存在ですね。奇跡の生命、未知の生命といわれる所以が此の数字からも読みとれます。自分自身の記録と比較しても面白いでしよう。ではまた。
(注)内容は「NHK未知なる生命・ヒト」から頂きました。

 ◎ 会員 の 近 況
 ☆ 会員からの便り
 この4月発刊の会報では、これまでなかなか皆様からの声をお届けできませんでしたので、今回から投稿用の葉書をお送りして少しでも多くの方々の声をと思い企画しましたところ、20数名の方々からお便りを頂きました。
 早速ご紹介することと致します。
 これからも順次お送りいたしますので、その節は宜しく御協力の程、お願いいたします。
                                   (編集者)

 國が青少年の教育を誤って30年を経過した時、その國は滅びるだろうという説がある。
 今我が国のそれは20数年、まだ間に合うかも知れないという講話を昭和38、9年頃聞いた記憶がある。悲しいかなそれから既に30数年、もう間に合わないのではないか。
 学級崩壊の、援助交際のと今となって慌てふためいているが、坂を転がりだして加速度の付いた石はもう誰にも止められない。が、転がる石の早さはまだ何とか止められる程のものであることを願う昨今ではあります。
                    (松戸市 在塚喜久)

 退職して29年になりますが、お陰様で無事消光いたしております。お寺の役員、老人会会長、交通安全委員等をやっていますが、忙しい毎日です。
 運動はゲートボールやプールに毎日通い水泳をやっています。旅行も近所の方とご一緒にしたりして、のんびり楽しんでいます。
 何よりも健康でいられることが幸福です。
 会員の皆様の健康とご多幸をお祈りします。
                     (岡山県長船町 池田敬三)

 会報を懐かしく拝見いたしました。皆様、地方にお住まいの方々、旧友の面影が浮かんで参ります。降りまして、私儀、85歳になりました。元気です。夫婦共々。
 武器学校勤務中、留米させていただいて感謝しています。英語はあれからすっかり熱が入りまして、今でもNHKの基礎英語は毎朝続けています。会話クラブでもマネージャーをしていまして、すっかり英語は不自由しなくなりました。これからも終生続けます。
 国内外ともにトラブルが多いですが、どうぞお身体を大切に。現役の諸君も國の防衛勤務、ご健闘をお祈り申し上げます。
                      (八王子市 今村喜典)

 王土会会報15号ご送付頂き有り難うございました。特にその別冊「戦場革命」は大変参考になりました。米軍の開発したピンポイント爆撃は、誠に戦争そのものを根本から変えてしまったようですね。「人を殺すに刃物は要らぬ。ゴボー剣はもとより原爆がなくても戦争は出来る」のです。相手国の大統領でも簡単に殺せるのです。
 山本五十六大将を殺すために日本の暗号を盗み、ブーゲンビル島南端にP38の暗殺部隊を派遣する必要もないわけです。
 全く恐ろしいことになったものです。
 トマホークもアパッチもいずれ何処の國でも(アメリカからその技術を盗んで)持てるようになるでしよう。その対策はあるのでしようか。以上が小生の所感です。
                        (川越市 菅 実)

 いつもご連絡いただき、深く感謝いたしております。若い人が多く亡くなられ驚き入り、合掌しています。
 私は10武器を定年退職し、数10年経過し、81歳になります。普段は車の機動力で市内等を愚妻と買物するぐらいです。足がすぐ疲れて上がらなくなり、2百bの歩行が限度です。王土会の会合も欠席ばかりで申し訳ありません。
 でも連絡を頂くのを楽しみにしています。
                    (名古屋市守山区 北村周郎)

 事務局の皆様には色々と時に触れニュースを送っていただき感謝しております。
 十条に一時期勤務した者ににとっては特に懐かしく、是非一度は行って見たいと思いながら、未だ果たさずにおります。
 83歳になり、気力、体力共に昔のようにはいかず、目下多少の趣味(鎌倉彫)にあけくれ、まずまずの健康を保っての毎日です。
 でもまだ車に乗れますので、日常の所用には不自由はなく、老妻との生活をまあまあ不足なく過ごしております。
 しゃれた報告も書けませんが、本当の近況のみ。
 今後とも呉々も宜しく。
                  (茅ヶ崎市  国方辰男)

 昭和60年頃でしたかrある同窓会で卒業アルバムを持ち寄って話が弾んでいました。
 「これA君だね。どうしているのかな」「この人の名前忘れた」「それはB君だよ。彼はビルマで戦死したよ」。
 卒業以来半世紀、名前すら忘却の彼方へ流れ去っているのです。話が途絶えた時、誰かがふとつぶやく。「次の会には、この中の誰かが消え去るのだろうな」。この誰かとは誰だろう。
決して「自分」とは考えていなかったでしよう。いや、考えたくなかったでしょう。
 あれから20年経過の今、しみじみと思い出しています。
                (船橋市 近藤政彦)

 自衛隊を退官してより、42年余を経過しました。科学技術の進歩は、私どもの頭では想像も出来ない速さ。日常生活においてもインターネットの普及進歩や軍事技術の進歩は長足の進歩を遂げました。戦争の実体は科学技術の進歩に比例して想像を絶するものがある反面、世界中至るところで民族同士の殺戮。弱い者が悲惨に晒されている実情は何とかならないものでしようか。
 また一面、王土会においても、昔お世話になった谷本政一先輩をはじめ数多くの方が鬼籍には入られ、淋しい限りです。但し、古田陸彦氏、青野櫻一郎氏等のご健在を喜んでおります。
 皆様のご健闘を祈ります。
               (宮崎市 志津野 嘉民)

 ここ数年、2級2種の身障者として松葉杖での生活を続けていますので、仕事としては本を書くことしか出来ません。
 3佐で技術研究本部を辞めてからというもの豊和工業での64式小銃開発研究の経過を世に残したい一念で次のように出版をしてきました。
「幻の自動小銃」「幻の機関銃」「幻の銃弾」「小火器読本」「火器開発裏面史」以上かや書房発刊。
 「銃器・火薬実用事典」狩猟界社発刊。
(一族の紹介)
 娘婿が1佐で退官。孫7名自衛官。全員1尉と2尉。
             (愛知県美和町 津野瀬光男)

 王土会会報第15号頂戴、有り難うございました。会員の近況大変でtようが楽しく読ませてもらいました。
 私も昨年1年間同期生の戦没記録(9百頁)を5月19日に完成と思ったら、次は同期生名簿再販の仕事にかり出され、寧日ないこの頃、年賀状も書けそうにもない状況です。
 理事の皆様もご自愛、ご活躍の程。
             (東京葛飾区 廻間 芳雄)

 私は4武器を振出に武器学校、陸幕武器課、在庫統制隊、武器補給処に勤務しました。
 先ず、物故された方々のご冥福をお祈りいたします。
 私はいろいろな方にお世話になりましたが、特に印象に残る方は陸幕武器課長の松田武様(後の航空幕僚長)、同じく武器課の土屋副課長、そして武器学校長谷本征一及び池上巌両閣下などです。
 私も83歳となりましたが、殆ど毎年王土会に出席しています。そして名誉会員ということでシルバーシート(編者注 総会では名誉会員には椅子席を準備しております)の恩恵を受けています。
 神奈川隊友会の副会長を10年以上勤め、今も参与で自衛隊ひいては国防のため微力ながら捧げています。
趣味は囲碁と謡曲(観世流)で防衛庁観世流謡曲会のメンバーです。
 最後に防衛庁武器部門及び王土会の益々の発展と各位のご健勝を祈ります。
 王土会は不滅です。
               (藤沢市 四元信義 (旧姓)奥園)
 昨年末、(財)日本漢字検定協会が募集した平成11年度の世相を表す漢字を「末」と発表した。
 世も末と思わせる事件が多発した世紀末。東海村の違法作業による臨界被ばく事故、立て続けに起きた無差別殺人、警察の不祥事、少年犯罪の多発、大量の麻薬密輸、商工ローンの脅迫的債権取り立て、新幹線安全神話崩壊、でたらめを言って「定説」ですと呪文のように使っている自己啓発団体と称するライフスぺース、足裏診断で高額の修行代を巻き上げる宗教法人「法の華三法行」、学級崩壊、領海侵犯した小さな船も捕らえられない防衛力の不備、貴重な税金の無駄遣い、場所柄もわきまえぬ携帯電話・化粧、街には顔黒・ミニ・厚底の者……等、
いやな世の中になったもんだ。
 ところが、我が国の防衛については無関心。
國を守る意識が見られない。世界各国からの留学生を受け入れている米国の大学院では学力の違いはもとより、「日本人には天下国家や科学技術を語る人間的魅力、迫力に欠ける」との見方を挙げ、「国力の低下に繋がり、日本という船が沈むかどうかの問題だ」と危惧している。
 また、このままでは「日本の教育レベルは中国・ロシアにも追い越される」と断言している。
 数年前に中国の李首相がオーストラリアの首相との会談で「日本などという國は20年たったら消えてなくなっている」と揚言したことを思い出す。
 これには日本が抗議したという話を聞いたことがない。
 昨年の中国の建国50周年式典に日本の政党組織として唯一、招待された社民党の反軍隊で知られる土井党首は軍事パレードに臨席した。
 そして日本人としての記者会見の質問で「軍事カの行使とか威嚇にはあくまで反対だが、行進なら別になにも問題はないでしよう」と答えている。
 周辺諸国の核・ミサイル・大量破壊兵器の開発、軍事力の強化など国際情勢は目まぐるしく動いているのに、非核3原則を念仏のように唱え、日本国憲法を50年間改正しないままにしておいて良いのか。
 政治家は私利・党利に走ることなく、日本の危機への対応を真剣に考え、国家・国民を守ってもらいたい。
          (仙台市宮城野区 安達四郎二)

 毎度会報を拝読し、各位のご健闘の様子を伺い知ることが出来、懐かしく往時を思い起こしております。
 当方も健在と言いたいところ、ここ2年ほど前から健康を害し、細々ながら生き長らえております。年も年ですし、年貢の収め時と思っております。
 会員各位の益々のご健勝を祈り上げます。
              (土浦市 小野正男)

 小生、80を過ぎ、体力の低下は巳むを得ませんが、あと6年で米寿です。
 これを人生の最終目標と覚悟して、それまでの余生を何んとか元気に送りたいものと祈念しています。
 会員諸兄のご健勝を祈ります。
             (藤沢市 小山 麓)

 平成10年6月に札幌市から川崎市に引っ越しを断行して、早1年半が経過しましたが、偶々、老夫婦にとって、理想的な住居が見つかり、昨年12月に急遽又引っ越しました。
 もうこれで動くことは無いと思います。
 健康のため、周に3回ほど泳いでいます。
 また、関東とその周辺の旅行を楽しんでいます。
 川崎市に来てからパソコンを始めました。
 囲碁ソフトのコンピュータを相手に囲碁対局をしていますが、面白くて止められません。
 残念なことには、最強と称するコンピュータでも、現在私に対し五子局です。パワー増強のソフトの出現を期待しているところです。
           (川崎市多摩区 駒沢清雄)

 傘寿を過ぎ、あたりに迷惑も掛けずに日々を迎えております。
 郷里で在隊時の内外の皆様より得た教訓知識で退職後郷里で働かせていただきました。
 また、郷里の方々を部隊・艦船見学などに案内して自衛隊を認識して貰ったと自負しております。
 進歩した装備等を会報により知り、隔世の感を得ておりますと同時に、警察予備隊時代を思い出しております。
 会員の皆様の健康と会の益々の発展をお祈りいたして失礼いたします。
            (滋賀県山東町 澤頭辰雄)

 私も89歳を迎えました。振り返りますと、戦中、戦後色々なことがありましたが、意外に短かったように思います。
 このところ、足が少し不自由になり、月に1、2度杖をついて病院通いをしております。
 皆様のご健勝を祈ります。
            (流山市 竹林富三)

 今年は83歳になります。馬齢を重ねると申しますが、小生、昭和44年に自衛隊の勤務を終えて以来、いつの間にか30数年の月日が流れてしまいました。
 町田の自宅からボロ車で世田谷通りと環状7号線を使って十条の部隊ヘ通った頃が懐かしく思い出されます。
 整備部に居りましたが、その頃の友人知己生殆ど鬼籍に入られ淋しい限りです。
 今は防衛庁謡曲会の仲間と年1回市ヶ谷能楽道別館の舞台で謡ったり舞ったりするのを唯一の楽しみとしております。
          (町田市 多田六朗)

 時折の2,3泊のドライブを振り返ってみる、平成初期の頃は出掛けるごとに道路が良くなっていることは驚くほどで、新しい立派な公共の建物が目に飛び込んできたものでした。
 バブルの頃は至るところで建築現場が氾濫していて、観光バスにもまれるようでしたが、東の方が西よりは楽しめました。
 最近は日帰りで、半径百キロメートル程度で古い建物・町並み・史跡等を廻っていますが、身近なところに案外なものが多いのに驚いています。
 世の中の変化についていくのが大変で、分からないことが多くなり、つくづく年を取ったことを痛感しています。
 現在80歳を越した2人で暮らしています。
この生活いつまで続くでしょうか。
         (土浦市 中條義道)

 武処の整備部資材課長から西山弾薬支処に赴任、その後関処ヘの編成替え、間もなく支処の廃止、祝園弾薬支処の開設と慌ただしい時代を過ごした後、桂の武器部技術課長として4年勤めさしていただき、定年退職して32年経ちました。その間いろいろな上司・同僚にお世話になりました。
陸幕の池上課長……テニスがお好きで時々お 相手をさしていただきました。武処の谷本処長には麻雀のお相手など思い出があります。
 西山支処閉鎖に伴う現地採用の職員の処遇に困った時、新設の守山の混成団の冷たさに比べて、小牧基地の航空団の丸田空将の温かい協力など今思っても有り難く思います。
 予備隊、保安隊、自衛隊を通し、温かき上司、良い同僚に恵まれたことに感謝しています。
         (三重県大台町 村田力三)

 武校、武処、十条と17年間無事勤められましたのも皆様のご支援の賜と感謝しております。
 定年の時、西に富士、北に筑波山、眼下に牛久沼を眺める此の台地に一反歩の土地を購入し、住居、果樹・菜園を作り、晴耕雨読を、四季折々には作物を積んだマイカーを運転し、信州蓼科高原の山荘で短期滞在して来るのを楽しみにしております。
 又、近くの霊園に墓を建て、戒名を貰い、お迎えの来るのを静かに待っている今日この頃です。
 近況ご報告まで。
           (竜ケ崎市 矢崎源七)

 「自衛する鯉」の物語
「鯉が自衛する?」 そんな馬鹿な!、自衛隊じゃあるまいし!
 ところが、現に我が家での話。まあ、お聞き下さい。
 鯉や金魚を買って、何とも憎らしいのが猫の被害!30年ほど昔、広さ一坪ほど曲玉状の池に鯉を活けたら、次々と猫に捕られ一週間持たない。何回繰り返しても駄目で頭に来た。
 猫が如きに負けてたまるか!知恵較べだ!
 先ず、20ミリ間隔に小穴を穿った塩ビ管を池の輪郭添いに曲げて配管し、それにポンプで池の水を圧送し噴水による防御。
 しかし、猫には痛痒(通用)せずニャンともならない。
 次は、その小穴に先を尖らした長さ18センチ程の針金を植え付けた防護柵。猫は塩ビ管と池の縁の石組みとの僅かな隙間から手を差し込み鋭い爪で一撃を食らわせる。捕まることはないが、爪を立てられた鯉は間もなく死んでしまう。尖った針金で我が輩が怪我をするのが落ちといった惨憺たる敗北振り。
 その次は「マタタビ作戦」とエスカレート。
「マタタビ」という蔓状に伸びる野生の木の実を干して粉末にした薬で、猫族の大好物。
 薬局で求め、池から離れた所に播いておく。
 猫は早々におびき寄せられ好んで粉を嘗める。と、途端に飛んだり、跳ねたり、転げ回り正に狂気の沙汰である。見る方も面白く抱腹絶倒、時の経つのを忘れるほど、人も猫も池の鯉など眼中から消えてしまう。
 しかし、金が掛かり家計に響く。長く続けるわけには行かない。
 万策尽きたるある日のこと、店先で逃げ足が早く、我が輩の力量ではなかなか掬えないすばしっこい稚鯉を見つけた。
 これはと思い店の爺さんに掬って貰い、早速池に放った。実に逃げ足が早い、一寸した足音、人や物の影、地面の振動にも敏捷に反応し、さっと深みに逃げ込む。他の鯉や金魚も連れて逃げ込む。これには流石の野良猫も手も足も出ず、万事休すとなり、遂に、池にも寄りつかなくなった。
その鯉も天寿を全うしたが、その秘術は他の鯉や金魚に受け継がれ今日に及び、平穏な日々が30年も続いている。
 無惨な他力の敗北!教えられた「自衛する鯉」の物語の一席!
 お粗末様でした。
            (横浜市泉区 山田十郎)

「創成期の武器補給業務を回顧して」
 昭和27年5月1日、管理補給総監部に所属、立川駐屯地武器補給所物品会計官吏と武器関係検査官を命ぜられた。
 当時全国各地の新編部隊に充足する部隊装備品等が駐屯地内に納入業者より搬入され、連日その受領検査に追われた。
 この大任を無事果たすためには、初心を貫くための強固な信念を堅持することが必須であることを強く感じた。
 それは、組織から安心して頼られる信頼があり、素直で、廣く謙虚な性があれば、いかなる逆境に直面しても、惑うこと、苦しむことなく耐えられると共に、与えられた重責を完遂することが出来ると確信した。
 幸運にも全国各地に創設の編成部隊等に聊かの支障を与えることなく、武器補給業務の責務の責任を果たすことが出来たことは生涯において忘れられない思い出となった。
 当時お世話になった方々に対し心から感謝申し上げます。
           (日野市 飯窪 誠)

 ☆ 新 入 会 員
「どうか宜しくお願いいたします。」
木村和雅(茨城地) 片桐 弘也(2後支)
佐藤一雄(東北武) 鈴木 康夫(東北処)
瀬川勝弘(5高特) 鈴木 和博(補統本)
越田隆和(東北武) 平松俊輔(12後支)

 ★ 訃 報
「心からお悔やみ申し上げます」
芳賀 留重(陸 幕)[11.6.19]
森下 茂(武 校)[11.7.11]
小田 瑞兆(十・条)[11.7.24]
小野佐吉郎(陸 幕)[11.11.8]
伊藤 素義(武 校)[11.11.]

★ ご遺族からのお便り
 会員のご遺族から、ご逝去の通知をお便りで頂きましたので、ご紹介致します。
 王土会会報をご送付有難うございました。
 長い間お世話様になりましたが、夫、瑞兆は今年の春から持病の治療のため入退院を繰り返しておりましたところ、83歳の誕生日を迎えて束の間、治療の甲斐なく7月24日永眠いたしました。
 生前の皆様のご厚誼に深くお礼を申し上げますと共に、王土会の皆々様のご健康、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。
     (横浜市港北区 小田瑞兆妻冨子)

 秋色いよいよ深くなって参りました。
 先日、芳賀留重宛王土会会報をお送りいただきましたが、残念ながら、去る6月19日突然の心筋梗塞の発作に見舞われ、永眠いたしました。
 享年88歳でありました。
 ここに生前に会の皆様より賜りましたご厚誼に心からお礼申し上げますと共に、王土会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
(日野市 芳賀留重長男直光)

◎ 事 務 局 よ り
☆ 理事等の紹介
今年の総会でご承認頂く理事の交代もありますが、あらためて現役員の紹介を致します。
(注)氏名と写真は上下の関係でご覧になって下さい。
◇理 事
代表理事(在任7年)
高 木 謙 次

(昭和62年退官)
総括理事(在任16年)
松 尾 昭
(昭和54年退官)
理 事 (在任7年)
馬渡 義 明
(平成元年退官)
理事 (在任7年)
稲見達之
(平成3年退官)
理 事 (在任5年)
久 光 祷 敬
(平成5年退官)
理 事 (在任3年)
瀬 尾 一彦
(平成7年退官)
理 事 (在任3年)
 田 中 敏 勝
(平成9年退官)
理 事 (在任2年)
澤 田 和 明
(平成8年退官)

◇本 部(陸幕武器化学課)
特別顧問
武器化学課長
一佐 安井 剛
担当班長
武器化学課総括班
1佐 山下富雄
担 当
武器化学課総括班
3佐 奥崎英昭

◇ 事 務 局(補給統制本部火器車両部)
担当部長
火器車両部長
1佐 佐伯仁司
担当課長
補給計画第1課長
1佐 生越喬久
担 当
補給計画第1課
1曹 渡邊雅美

 以上の役員により会の運営に当たっておりますが、高木代表理事のもと、現体制になって早7年が経過いたしました。
 年会費制度を導入したからには、少しでも会の設立趣旨に添ったものにしていこうという意気込みは各理事に漲っており、充分にその成果を上げつつあるものと自負しております。特に、松尾理事は長年にわたり理事を務められ、度々辞意を表明されておりますが、会の生き字引として余人には代え難く、その都度各理事の強引な引き留め策により思い留まっていただいております。
 ところで、会の運営に当たっては、多くの現役の諸官に大変お世話になっております。
 特に、本部においては、事務局設置など会の基本的事項についてのご協力を頂くとともに、武器科の現状など、多くの情報を提供していただいておりますし、事務局においては、会費の徴収、会員の状況把握、事務連絡、総会の業務支援などの実務面においてご協力いただいておるわけです。
 改めて、これまでのご協力に感謝の意を表しますと共に、今後とも宜しくお願い申しあげる次第です。

◎ 編 集 後 記
 会員の皆様のご協力により、第16号も無事発刊に漕ぎ着けました。
 会報は会員皆様自身が作る情報誌です。編集者はそのお手伝いをさせていただいていると思っております。
 今後とも宜しくお願い致します。(馬渡)

最近の装備品の紹介 F

化学防護車(装輪)

性能諸元
乗 員 4人
全備重量 14.1t
全 長 6.1m
全 幅 2.5m
全 高 2.4m
速 度 95km/h
武 装 12.7mm重機関銃M2
製 作 : 小松製作所
備 考
フォールアウトおよび有毒なガス等による汚染地域内を自由に行動できる装輪装甲車である。
車内には空気浄化装置が取り付けられ、装面することなく放射線測定器、ガス検知器等を用い車外の汚染状況を迅速且つ正確に把握することが出来、またマニュピレータ一により汚染した試料を採取することが出来る。
化学科部隊に装備されている。


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